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アルツハイマー病のワクチン療法副作用の原因を解明・順天堂大学

2016.10.12

順天堂大学大学院医学研究科の田平客員教授らの共同研究グループは、新たに開発したアルツハイマー病の飲むワクチンが脳炎や消化器症状などの副作用を示さないことをサルで確認したことを発表しました。

アルツハイマー病の発症には、アミロイドが原因であると考えられています。
アルツハイマーの予防、治療に期待されるワクチン療法ですが、過去の研究では、アルツハイマーの原因と考えられる老人斑アミロイドの除去には成功していましたが、神経細胞死が増加し、副作用として自己免疫性脳炎が起こるなど、有効性は認められていませんでした。
今回、研究グループは、新たに飲むワクチンを開発し、老齢サルに投与し、従来のワクチン療法で見られた脳炎や消化器症状などの副作用を示さないことを確認しました。

アルツハイマー病の原因となる老人斑は人により個人差がありますが、概ね50歳代から出現すると考えられています。
この老人斑が出現する前にワクチンを投与すれば、有毒なオリゴマーを増やすことなくアルツハイマー病の発症を遅らせることができると考えることができます。

また、老人斑の出現後にワクチンを投与する場合は、オリゴマー除去の抗体による後療法との組み合わせが有用と考えられます。
これはアルツハイマー病のワクチンの副作用を防ぐ新しい考え方であり、同研究グループでは、今後、飲むワクチンとオリゴマー除去の抗体を併用した新たな治療法の治験を行う予定です。

田平先生は以前よりアルツハイマー病のワクチン療法について、研究を行ってこられた方です。今回、新たなワクチンを開発されたことで、今後のアルツハイマー病の治療が期待されます。

順天堂大学 プレスリリース
http://www.juntendo.ac.jp/news/20161005-02.html
同大学のプレスリリースでは、アミロイドβタンパクが、老人斑を形成する過程なども解説されています。興味をお持ちの方はご確認下さい。

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